筋トレのインターバル(休憩)は何分が適切なのか

筋トレをする目的は様々です。
筋肉を大きくしてマッチョを目指すのか、ダイエットを目指すのか、それぞれ違うはずです。
筋トレを行う目的によって行うべき筋トレの種類や扱う重量、インターバル(休憩)の取り方が変わってくると言われています。
今回は筋トレを行う際に適切なインターバルの取り方を紹介します。
筋トレのインターバルは目的によって変えるというのが一般的
筋トレとひとことで言っても、鍛えられる力には実は違いがあります。
- 筋肉を大きくする「筋肥大」
- 筋肉の最大パワーを大きくする「筋力アップ」
- 筋肉の持続力をアップさせる「筋持久力アップ」
多くの人が該当する筋トレの目的は「筋肥大」と「筋力アップ」にあると思います。
「筋肥大」することで基礎代謝が上がり、太りにくく痩せやすい体になります。
そしてさらなる「筋肥大」を目指すためには「筋力アップ」が欠かせません。
こうしたことから、多くの人の筋トレを行う目的は「筋肥大」と「筋力アップ」となるのです。
これまで一般的に言われてきたのはそれぞれの目的(筋肥大なのか、筋力アップなのか、筋持久力アップなのか)によってインターバルの時間を変えるべきとされてきました。
筋トレ界のインターバルは1分前後が定説だった
「筋肥大」と「筋力アップ」を目指す場合の適切なインターバル(休憩)はどのくらいかという話になります。
これまで言われていたのは、筋トレのセット間のインターバルは30秒~90秒に設定するというのが常識とされていました。
この理由として、筋トレを行うことで分泌させる成長ホルモンの分泌を効率的に促すことができるためとされていました。実際に成長ホルモンの分泌量が多くなるという研究結果も出ています。
ですが、近年の研究によってこの成長ホルモンが筋肉の成長に関与する割合はそれほど高くないということがわかってきました。
筋トレのインターバルを短くした場合、筋肉は強く疲労する感じは得られます。
ですが、実際は疲労によって回数が減ってしまうのです。
例えばインターバル60秒でセットを組んだとした場合、
1セット目:10回 インターバル60秒
2セット目:10回 インターバル60秒
3セット目:8回
などということが起こってしまいます。
筋肉はしっかり疲労しているから良いじゃないかと思う方もいるかもしれません。
ですが、筋繊維というのは実に効率的に働くように出来ており、毎回筋繊維をすべて使って負荷を受けているわけではないのです。
先程の例の場合、
1セット目:10回 インターバル60秒(筋繊維の50%を使用)
2セット目:10回 インターバル60秒(残った筋繊維の50%+1回目で使用した筋繊維の一部を使用)
3セット目:8回(1回目に使用した筋繊維+2回目に使用した筋繊維の一部)
などというように、うまく休ませながら効率的に負荷を分けるのです。
こういった性質があるため、十分なインターバルを取らずに次のセットに入ってしまう場合、筋肉に対して十分な負荷をかけることができなくなってしまうのです。
これまでの60秒前後のインターバルではこうしたデメリットがあるのです。
インターバル60秒の定説が崩れつつある
近年の研究で、成長ホルモンの分泌による筋力や筋肥大の効果はそれほど高くないという報告が増えています。
実際の研究では、インターバル1分とインターバル3分で筋肥大に関しての差があるのかという実験を行った結果、筋力、筋肥大ともにインターバル3分の方が大きくなり、筋持久力に関しては1分と3分に有意な違いは見られなかったと報告されています。
この実験では、週3回、同じトレーニングを3セットずつ行うという内容で設定されているため、トレーニングによる差は当然出ないようにされています。
これまではインターバルを長くすると十分に筋肉を疲労させることが出来ず、筋繊維が太くなったり、筋力がアップさせることが出来ない(もしくはしにくい)とされて来ました。
だからこそインターバルは60秒と言われてきましたが、これらの報告からインターバル3分の方がメリットが大きいことがわかってきています。
実際に筋トレをしてみるとインターバル60秒よりも3分の方がはるかに楽ですし、慣れてくると筋肉を追い込めている実感も持てるようになります。
やるからには効率的に筋トレができた方がいいと思いますし、長く続けるためには楽にトレーニングができることも大事です。
これからはインターバル3分を目安に行うのがおすすめです。
唯一のインターバル3分のデメリットはトレーニングの時間が長くなってしまうこと。
これだけはどうにもならないのでご了承を。。
インターバル3分は誰にでも有効なのか?
メリットが非常に多いセット間インターバル3分の筋トレですが、筋トレ慣れしていない初心者には向かない可能性があります。
筋トレ初心者はしっかりと筋肉を追い込むことが苦手です。
というのも、本来はまだ筋肉に負荷をかけられる状況でも初心者の場合は「もうダメかも」という気持ちがブレーキをかけてしまうことがあるためです。
このことを心理的限界などと呼んだりします。
限界まで負荷をかけずにインターバルを長くしてしまうことによって、筋肉に十分な負荷をかける前にセット数を終了してしまうということが起こる可能性があるのです。
インターバル3分と長めにとることによるメリットは負荷を十分にかけて回数もこなせるということですから、心理的限界が早めに来てしまううちはインターバルは60秒に設定して行うほうがベターという可能性があります。
実際に心理的限界を超えられるようになったかどうか、という判断は難しいです。
次には心理的限界を超えるためのコツを紹介します。
心理的限界を超えるためのコツ
筋トレにおける肉体的限界は心理的限界よりも後にあります。
心理的限界 >>> 肉体的限界
まずここを知っておきましょう。
筋トレをして筋肉が疲労してくると「もうダメだ」と思うことがあるでしょう。
このはじめの「もうダメだ」と思ってからが勝負です。
「もうダメだ」と思ってから、あと2回頑張ります。
精神論となりますが、心理的限界を超えるためにはこれしかありません。
「もうダメだ」となっている時点である程度筋肉は疲労しているはずです。
ここからあと2回を振り絞ることで、筋肉の限界を迎えることになるわけです。
ダウンタウンの松ちゃんもムキムキになってますが、この心理的限界を超えるためには「ウソよね~ん作戦を使う」となにかで言ってました。
「ウソよね~ん作戦」は10回やるとしたら10回目に「ウソよね~ん」と自分に言い聞かせて12回やる、12回やったら「ウソよね~ん」と言い聞かせて14回やるというような作戦。
これはまさに心理的限界を超えて肉体的限界に近づくための松ちゃんなりのやり方というわけです。
結局は精神論・根性論的な部分は脱せませんが、心理的限界を超えられるように追い込むテクニックは非常に大事です。
筋トレ初心者の方はまず基礎的な筋力がついたら、こうしたテクニックで心理的限界を超える訓練をしていくとより体つきが変えられます。
筋トレのインターバルについてのまとめ
これまで筋トレのセット間インターバルは60秒というのが一般的に言われていました。
ですが、近年の研究でインターバルを60秒の場合と3分の場合では3分の方が筋肥大、筋力アップともに効果が高く、筋持久力についてもインターバルの長さは関係ないという報告が有力となってきています。
インターバルを3分とることで、筋肉に十分な負荷をかけることが容易になるうえ、トレーニング自体も無理なく行うことが可能になります。
デメリットとしてはトレーニング時間がどうしても長くなってしまうという点はありますが、ありあまるメリットがあります。
筋肥大、筋力アップともにマッチョを目指す人にとってもダイエット目的の人にとってもメリットは非常に大きなものです。
筋トレのインターバルは3分を目安に無理なく行うようにしましょう。
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